「小学校時代に全校朝会で校長先生から聞いた話」(聞き取り朝会より)
- 公開日
- 2021/02/22
- 更新日
- 2021/02/22
お知らせ
【律子の部屋 2/22 UP】
「小学校時代に全校朝会で校長先生から聞いた話」
〜2月22日(月)聞き取り朝会より〜
このお話は、校長先生が小学生の頃、全校朝会で校長先生から聞いたお話です。
校長先生には、左側の耳から首にかけて赤い大きなあざがあります。皆さんも分かっていますよね。赤ちゃんの頃に頭の傷口からバイ菌が入り、大変な病気になってしまいました。幸い病気は治ったのですが、その時の腫れが赤く残ってしまいました。小学生の時は、「きたない」とか「気持ち悪い」とか言う人がいて、とても悲しくなりました。苦しくもなりました。どんなに「言わないで」と言っても、何回も言ってくる人もいました。とてもつらかったです。泣いてしまったことも何回もありました。「私は悪くないのに。私のせいじゃないのに。」と思い、お母さんに、「私がこうなったのは、お母さんのせいだ。」と言ってしまったこともありました。そんな時、私を支えてくれたのは、「あざなんか関係ないよ。美弥ちゃんは美弥ちゃんだよ。」と言ってくれたお友達の存在でした。5年生の時に同じクラスになったそのお友達は、時には優しく、時には弱い私を励ましながら、私のあざではなく心を見て接してくれました。そのお友達といると、だんだん勇気が出てきて、もっと頑張ろうとか人に優しくしようとか、明るい元気な気持ちになったことをよく覚えています。6年生に進級する頃には、「気持ち悪い」などど言うクラスメイトは誰もいなくなりました。
言葉って不思議ですね。たった一言で、相手を悲しい気持ちにさせたり、温かい気持ちにさせたりします。つらい気持ちにも強い気持ちにもさせます。私は、心ない言葉で深く傷ついたけれど、お友達の言葉で助けられ、くじけないですみました。言葉はそれを使う人によって、大きく変わってしまうのです。
私の左側の耳の下には、今も大きなあざがあります。取ろうと思えば手術をすることもできたのですが、私はあえてそのままにしています。どうしてだと思いますか?その理由は、大切なことを忘れないためです。このあざは、私に言葉の温かさを教えてくれました。そして、友達がそうしてくれたように、自分も人を支える温かい言葉を使いたいと思えるようにしてくれました。鏡を見ながら、私はいつも自分に問いかけます。「今日、あなたは周りの人を悲しませるようなことは言わなかったかな?」って。
あなたは、どんな言葉をお友達に投げかけますか?悲しくつらい言葉ですか?温かくうれしい言葉ですか?みんなの心が温かくなる言葉でいっぱいになるといいなと思っています。