今回は、定期考査期間と重なったため、通常の小集団活動は実施しなかったので、サポートルームで活用している教材の一部を紹介します。
サポートルームでは、生徒一人ひとりの実態に合わせて、ゲームやカード、視覚的な教材を活用しています。
教材は、ただ「遊ぶため」「練習するため」だけに使うものではありません。
活動を通して、考える力、相手と関わる力、自分のよさに気付く力、自分に合った学び方を見つける力を育てることを大切にしています。
今回は、サポートルームで活用している教材の中から、いくつかを紹介します。
マンカラ・カラハ
見通しをもって考える力を育てる教材
マンカラ・カラハは、石を順番に動かしながら進めるボードゲームです。
一見するとシンプルなゲームですが、「どの場所から石を動かすか」「次にどうなるか」「相手はどのように動くか」などを考える必要があります。そのため、見通しをもって考える力や、順番を守って活動する力を育てる教材として活用できます。
サポートルームでは、勝つことだけを目的にするのではなく、数を数えること、手順を理解すること、先を見通して考えること、相手の動きを見ること、勝敗を受け止めることなどにつなげています。
ゲームを通して、「すぐに動かす」のではなく、「一度考えてから選ぶ」経験を積むことができます。
短所を長所に変えたいやき
見方を変えて、自分や友達のよさに気付く教材
「短所を長所に変えたいやき」は、短所に見える言葉を、別の見方で長所として捉え直すカード教材です。
サポートルームでは、リフレーミングの学習として活用しています。
リフレーミングとは、ものごとの見方を変えて、別の意味づけをすることです。
たとえば、
「心配性」は「慎重に考えられる」
「こだわりが強い」は「最後まで丁寧に取り組める」
「おしゃべり」は「自分の考えを言葉にできる」
と捉え直すことができます。
大切なのは、短所を無理になくすことではありません。
自分の特徴を別の角度から見直し、「自分のよさ」として活かしていくことです。
サンレンタン
相手の考えを想像するコミュニケーションゲーム
サンレンタンは、相手の価値観や考え方を予想するカードゲームです。
自分だったらどう選ぶかを考えるだけでなく、「相手ならどう考えるか」を想像するため、他者理解やコミュニケーションの練習につながります。
サポートルームでは、答えを当てることだけを目的にするのではなく、選んだ理由を伝えたり、友達の考えを聞いたりすることを大切にしています。
「自分はこう思ったけれど、友達は違う考えだった」という経験は、学校生活の中で相手を理解する力につながります。
カラーマスノート
書くことを視覚的に支える教材
カラーマスノート練習帳は、4色に分かれたマスを手がかりにして、文字の形や位置を意識しながら書く教材です。
文字を書くときには、ただ線を写すだけでなく、
「どこから書くか」
「文字の部品をどこに置くか」
「どのくらいの大きさで書くか」
を考える必要があります。
読み書きに苦手さがある生徒にとって、白いマスだけでは文字の位置や形を捉えにくい場合があります。
色の手がかりがあることで、文字の部品の場所やバランスを確認しやすくなります。
サポートルームでは、「字をきれいに書かせること」だけを目的にするのではなく、生徒が書きやすい方法を見つけるための支援として活用しています。
おわりに
定期考査期間中は、小集団活動を通常通り実施することが難しい場合があります。
そのような時期にも、サポートルームでは、生徒の学びを支える教材や支援方法を整理し、次の指導につなげています。
ゲーム教材では、楽しみながら考える力や人と関わる力を育てることができます。
カード教材では、自分や友達の考え方に気付くことができます。
視覚的な教材では、読み書きの負担を減らし、自分に合った学び方を見つける手がかりになります。
今後も、一人ひとりの実態に応じて教材を工夫しながら、安心して学べるサポートルームを目指していきます。
活用例:マンカラカラハ
1 手順を確認する
はじめに、石の動かし方や順番を確認します。
ルールを一度にすべて覚えることが難しい場合は、教員が横について、手順を一つずつ確認しながら進めます。
2 どこから動かすかを考える
自分の番になったら、すぐに石を動かすのではなく、
「ここから動かすとどうなるか」
「次に自分の得点につながるか」
を一緒に考えます。
3 相手の動きにも目を向ける
慣れてきたら、自分の手だけでなく、相手の動きにも注目します。
相手の選び方を見ることで、相手の考えを予想する練習にもなります。
4 勝敗を振り返る
勝った・負けたで終わらせず、
「どこがよかったか」
「次はどこを考えたいか」
を振り返ります。
勝敗のある活動を通して、気持ちを切り替える練習にもつなげています。
活用例:短所を長所に変えたい焼き
1 短所に見える言葉を確認する
カードに書かれている言葉を読み、どのような場面でその特徴が出るかを考えます。
2 別の見方を考える
その言葉を、別の角度から見るとどのようなよさになるかを考えます。
例:
| 短所に見える表現 | 長所としての捉え方 |
| 心配性 | 慎重に考えられる |
| 飽きっぽい | 新しいことに興味をもちやすい |
| こだわりが強い | 最後まで丁寧に取り組める |
| おしゃべり | 自分の考えを言葉にできる |
| マイペース | 自分のペースを大切にできる |
3 友達のよさを見つける
自分だけでなく、友達の特徴についても前向きな表現に言い換えます。
友達のよさを見つける活動にもつながります。
4 自己紹介や面接練習につなげる
「自分はこういうところがあります。見方を変えると、こういうよさでもあります。」
という形で、自分の特徴を言葉にする練習ができます。
進路面接や自己PRの準備にもつながる教材です。
活用例:サンレンタン
1 お題を確認する
お題カードを読み、選択肢の内容を確認します。
言葉の意味が分かりにくい場合は、教員が具体例を出しながら説明します。
2 自分ならどう選ぶか考える
まずは、自分だったらどの順番にするかを考えます。
自分の価値観を整理する時間になります。
3 相手ならどう選ぶか予想する
次に、友達や先生がどのように選ぶかを予想します。
「この人はこう考えそう」と想像することで、他者理解につながります。
4 理由を聞く
結果を確認した後は、なぜその順番にしたのかを聞きます。
正解・不正解だけで終わらせず、理由を聞くことで会話が広がります。
5 違いを認める
自分と相手の考え方が違っていても、どちらが正しい・間違っているではなく、
「そういう考え方もある」
と受け止めることを大切にします。
活用例:カラーマスノート
1 色の位置を確認する
まず、4色のマスの位置を確認します。
文字のどの部分が、どの色の場所に入るかを見ながら書きます。
2 手本を見てなぞる
教員が手本を書き、生徒は色の位置を確認しながらなぞります。
一文字ずつ、文字の形や部品の位置を確かめます。
3 同じ文字を自分で書く
手本を見ながら、自分で文字を書きます。
「上の部分は青と黄色に入る」
「左側の部品は青とピンクに入る」
のように、視覚的に確認しながら書きます。
4 通常のマスへつなげる
慣れてきたら、色の手がかりが少ないマスや、通常のノートにも少しずつつなげます。
生徒の実態に合わせて、無理なく段階を進めます。
5 書きやすい方法を一緒に探す
大切なのは、全員に同じ方法を求めることではありません。
生徒が「この方法なら書きやすい」と感じられる手がかりを一緒に探していきます。