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修了式 1

公開日
2021/03/25
更新日
2021/03/25

真中日記

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令和2年度 修了式です。
久しぶりに1・2年生が体育館に集まりました。
校長先生のお話
『校皆さんおはようございます。今日は修了式を迎えました。 
 1年前を思い出すと、昨年の今頃は、新型コロナウイルスによる臨時休業期間中で、卒業式も修了式も簡素という状況でした。それからあっという間に1年が経ったような気がします。この1年間は、学校全体の様々な取組を例年どおりに行うことができませんでした。しかし、皆さんは、限られた条件の中でも前向きに学校生活を過ごし、各自の持ち場で、最大限の成果をあげてきたように思います。素晴らしいことです。
 さて、先週の金曜日は卒業式でした、式には代表の在校生しか出席できませんでしたが、これまでの2年間、1年間の先輩たちの心使いを思い出して、真光寺中学校の伝統を引き継ぎ、築いていってください。
 令和2年度最後のお話は、「青柳卓雄さん」についてです。「青柳卓雄さん」が何をした人かというと、現在、世界中の医療現場で使われている、パルスオキシメーターの原理を発明した人です。パルスオキシメーターとは、これです。指をこう、パクッと挟むように、小さなホチキスみたいな形の装置をつけて、瞬時に動脈の血液中の酸素飽和度を測ることができる機械です。ずっと付けっぱなしにして、リアルタイムで長時間モニタリングすることもできます。
 実際に血液を採らずに測定できるってすごいと思いませんか?養護の先生(元看護師)にこのパルスオキシメ−タ−について伺ったら、先生もこれが開発された時、まさか日本人が考えた製品だとは思わなかったそうです。1号機はお弁当箱くらいの大きさだったそうですが、患者さんに負担がかからず、数値がすぐに測定できるこの機会は患者さんだけでなく、お医者さまも、看護師さんも使い勝手がいいので、感激したそうです。改良が重ねられ、今ではこんなに小さく、値段も1万円はしない、家庭でも気軽に買える機械となっています。だから、学校のもあるのですね。 皆さんの中にも風邪をひいたり咳がひどくて医者にかかったときに、指先をパクッとして、「あー、98だから問題ないね」とかいうようなことがあった人もいるのではないでしょうか。
 青柳さんは、新潟大学工学部から、島津製作所という会社を経て、医療用の電子機器の開発に関わる仕事を希望して、日本光電という会社に移ります。そこで、様々な実験から、皮膚の上から光を当てることで、血液中の酸素飽和度を測定できるしくみを発見し、昭和49年に学会で発表し、その後特許を得ます。
パルスオキシメーターは、その後、日本や米国などの国内外の多くの研究者や企業によりさらに研究・開発が進み、現在では、新生児や、救急搬送中の人、手術中や呼吸器関係の病気の人、睡眠時無呼吸症候群の人、それから、現在の新型コロナウイルス感染症の治療のときなど、様々な場面での血中酸素濃度のモニタリングに、世界中で利用されています。「コロナ渦」の今、なくてはならない医療機器の1つです。
 さて、青柳卓雄さんの紹介から、私が皆さんに望むことを2つ言います。
 1つめは、皆さんに、志を高く、というか大きくもってほしいということです。
 真光寺中学校を卒業した、皆さんの先輩方は、それぞれの道で、世界中で活躍しています。先輩があちこちで活躍しているのだから、将来の皆さんにもできます。ぜひ、志を高く、大きく持ちましょう。
 皆さんに望むことの2つめは、将来「何になるか」も大事ですが、「何をするか」も意識してください。
 例を挙げれば、医療に関係して人の命を救いたい、と思えば、直接救うのは、もちろん医師や看護師の医療関係者です。でも、青柳さんのように、理学や工学を学んで医療機器を開発すれば、世界中の多くの人を救うことになります。新薬の開発も同様です。理系は苦手という人でも、政治家になって、医療に関わる法律を整備することもできます。公務員になって、医療行政を進めることもできます。作家や報道に関わり、医療に関わるテーマを取り上げ、一般の人々の医療についての関心を高めることもできます。同じ目標でも、道は1つではありません。
 つまり、「何になるか」のみでは、その職に就いた時点で、その先の目標が失われるわけですが、「何をするか」を意識すれば、どんな道に進んだとしても、その道で、自分のしたいことに関わる方法は、いくらでもあることに気づいてほしいのです。
 他の例を2,3上げれば、環境問題への対応や、日本の少子化問題への対応、日本は人口減少ですが世界は人口爆発ですから、今後の食糧問題への対応など、皆さんがどんな道に進んだとしても、それらに関わろうと思えば関わる方法はあるはずです。何事についても、そういうことです。
 「何をするか」は、すぐには定まらないかもしれません。また、どんどん変わるかもしれません。高校生になってからでも、大学生になってから定まってもいいのです。ただ、時々、将来「何をするか」を意識することに意義があると考えてください。
 最後になります。明日から春休みです。新しい年度を迎え、新しい学年となるこの春休みは、自分の進路を前向きに考えるいい機会です。もちろん、日々の勉強もとても大切です。生涯勉強です。
 それと共に10年後、20年後の自分を、少し大きく、何事もうまくいってという想定でいいので出来過ぎなくらい良い方向で、考える機会としてください。夢を大きく。
 そして、チャレンジ精神をもって新年度を迎えられるようにしてほしいと思います。
 生涯挑戦、生涯社会貢献です。
 ここにいる真中生全員が、元気で、いい顔で新年度を迎えるよう願っています。
 それでは、令和2年度修了式の話を終わります。』