本作品は、かけがえのない親友を突然失い立ち止まってしまった主人公の心が、様々な人との出会いや触れ合い、他者への愛情に気づくことを通して、再び動き始める様子を丁寧に描いた物語である。

　叔母宅の近所で主人公と交際相手が消火活動をして鎮火するシーンや、いじめに対する親友の毅然とした態度に救われた回想シーンは、人として勇気ある行動を示し良識や倫理観を育むものである。

　戦時中にピアノを弾き戦地へ兵士を送り出したことを後悔している女性、娘の遺志を継いだ両親の想いは、青少年の人を慈しみ、大切にする心を育てるものである。

　川などの自然を含む風情ある街並み、ピアノの音色や電車から見る風景など、昔ながらの様子を感じられると共に、登場人物達が相手を思いやる心のあり方について、青少年の感性を磨き育てるものである。

　些細なことでも他者を想い行動することは巡り巡って自分も救われる、という本作品のテーマは、仲間に醸成につながり青少年の心身を成長させるものである。

上映：　令和６年１１月１日（金）から

　　　　ＴＯＨＯシネマズ日比谷　ほか全国２５０～２８０館公開予定

映画HP:　アイミタガイ